住民税が高い!住民税増税のからくり

今年の所得が減る人は住民税が増税に!減免処置は?

国はこれまで所得税を住民税に委譲するのは、所得税が減り住民税に振り返られるだけなので、その総額は変わらない、と説明してきました。しかし、これはウソです。今年の所得が減ってしまうと、住民税は増税になるのです。

平成19年度の住民税は前年の平成18年度の所得に対して課税されます。住民税は1年遅れなのですね。一方、所得税は今年の所得に対して課税されます。

ということは、公務員のように給与が前年を割ることがない人たちは、国の説明通りですが、所得が減る人たちは増税になるということなのです。


今年の所得が減るのは?


下記のようにずいぶんおられます。このブログを書いている私も今年の3月で退職した対象者です。
・定年退職される方(今年は団塊の世代の退職がピークになる年)
・リストラにより失業された方(黒字でも社員を切り派遣や委託に移管する会社増加)
・仕事が減った派遣社員やフリーター(中国・東南アジアへの工場移転)
・今年から年金のみの生活になられる方
・育児休業に入られる方 などなど

今年の所得が減る人への経過措置


平成18年度の「地方税法改正」には税源移譲による住民税の増額が盛り込まれ、収入が激減した人の一部を救済するための「経過措置」が盛り込まれました。

この措置は、平成19年の収入が、所得税の課税最低限以下にまで低下した人(平成19年の所得税がゼロになる人)を対象とし、平成19年度の住民税額を「改正前の税率」(税源移譲前の税率)で計算した額まで減額するとしています。
ただし、この措置を受けるには、平成20年年7月1日から7月31日の間に納税者本人が各自治体へ申告する必要があります。

つまり、平成18年12月31日までに退職した人は、この「経過措置」で救われます。この経過措置により納税義務者約5500万人の約6〜7%が救済される見込みです。

経過措置で救われない人の減免措置


さて、私のように3月末で退職した者は平成19年度に所得が発生していますから、この経過措置の対象ではありません。では、あきらめるしかないのでしょうか?
市役所に電話して確認したところ、4月〜12月の所得がない私の場合、減免措置が検討中とのことでした。

経過措置同様、平成20年年7月1日から7月31日の間に納税者本人が各自治体へ申告する必要がある、ただし、まだ決定ではないとのことでした。

繰り返します。今年の収入が昨年と比べ大幅に減少したものの、今年の所得税がゼロにならない人は「経過措置」の対象外ですが、減免措置が検討されています。経過をよく見守りましょう。

経過措置の周知


国会での野党議員の質問に答えて、総務省の岡崎浩巳官房審議官は「前倒しで周知する」「できるだけ早期に周知に取り組む」と答えています。が、この制度をほとんどの方がご存じないでしょう。まして、減免措置などマスコミすら扱っていません。自分のことは自分で守るしかないようです。

定率減税の廃止は妥当か!?

平成19年より経済状況の改善等を踏まえ、景気対策として導入した定率減税の措置が廃止されました。

これは景気が十分回復した(そうか?)ので、暫定処置であった定率減税を廃止し、税率を元へもどす、つまり、増税ではない、というのが政府の説明です。

このことによって、所得税は平成19年分(平成19年1月以降の源泉徴収及び平成20年2月〜3月に行われる確定申告)から、住民税は平成19年度分(平成19年6月以降に納付)から廃止されました。

この定率減税の廃止によって昨年より、所得税が10%、住民税が7.5%引き上げられています。


定率減税廃止の内容


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図をご覧ください。06年には所得税が税額の10%(12万5千円を限度)控除され、、住民税は所得割額の7.5%(2万円を限度)に控除されていました。
所得割額とは下式で示されます。

  所得割額 = 課税総所得金額(所得金額−所得控除額)× 税率 − 税額控除額

なんだかよく分かんないですね。要するに住民税の7.5%(2万円を限度)が06年は控除されていたということですね。

これらの控除が07年から廃止される、すなわち税額が上がるということです。私たち納税者には間違いなく増税と見えますが、税率が元にもどるだけだ、ということだそうです。

定率減税廃止でどれくらい税金があがるの?


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モデルケースをご覧ください。年収500万円の夫婦子2人家庭で、年額で17,600円の増税、年収700万円で年額41,000円の増税となります。

そして、サラリーマンの方の場合、今年の1月から所得税の住民税への委譲が実施され、住民税へ付け替えられる税率で5%分が引き下げられ、一方で定率減税廃止で所得税額の10%控除がなくなっていますから、差し引き税は下がったようにみえます。あまり気づいた方はおられなかったのではないでしょうか?
そして6月には一気に住民税がドンと引き落とされたということですね。

定率減税が導入された理由


定率減税が導入された理由というのは下記の通りです。当時のアジア通貨危機(平成9年7月)が背景にあります。
・金融危機:大手金融機関の破たん(平成9、10年)
・名目成長率:△1.8%(平成10年度)
・民間企業設備:△8.9%(平成10年度)〔名目対前年度比〕
・民間最終消費支出:0.0%(平成10年度)〔名目対前年度比〕 など

定率減税の推移


平成11年度分〜17年度分まで、実に長きに渡って、下記の通り大幅な定率減税が実施されていたのです。
・所得税:税額の20%相当額を控除(25万円を限度)
・住民税:税額の15%相当額を控除(4万円を限度)

そして昨年も引き続いて定率減税は行われたのですが、実にこっそりと控除率は半減されたのです。
・所得税:税額の10%相当額を控除(12.5万円を限度)
・住民税:税額の7.5%相当額を控除(2万円を限度)

そしていよいよ今年、8年間に渡って継続された大幅な減税が終わりを告げたのです。

定率減税が廃止される根拠


定率減税が廃止される根拠は下記の通りです。
・主要銀行の不良債権額:26.8兆円(平成14年)→4.6兆円(平成18年3月)
・名目成長率:+2.0%(平成18年度見通し)
・民間企業設備:+4.8%(平成18年度見通し)〔名目対前年度比〕
・民間最終消費支出:+1.8%(平成18年度見通し)〔名目対前年度比〕など

景気は回復したが、国民の所得は悪化している


主要銀行の不良債権が良化したのは、膨大な税金が投下されたこと、この間とんでもない低金利が実施されたこと、銀行は儲けているのにまったく税金を免除されていること、などが原因です。

民間企業の業績が良化いているものの分配は従業員にはいかず、そのすべてが株主に還元されている、といっても過言ではありません。業績が回復した最大の理由は国民の消費が増加したわけではなく、企業がせっせとリストラを進め、本来、専門職にしか認めてこなかった派遣を工場にも認可したため、企業の固定費や経費が大幅に良化し、反面、国民の中に多くの低所得層を生んだことにあります。

これで、定率減税が廃止されるのは、またもや国の借金を企業ではなく、国民一人一人に求めるもので、たいへんな悪政といえるのではないでしょうか?

平成19年の所得税と住民税の税制変更(税源移譲)

平成19年から、地方分権を進めるため、国税(所得税)から地方税(住民税)へ税金が移し替えられました。規模は総額で3兆円です。

この税源移譲によって、ほとんどの方は所得税と住民税が次のように変更になりました。
 ・所得税が平成19年1月から減り
 ・住民税は平成19年6月から増える

税金の移し替えなので、所得税と住民税とを合わせた税負担が変わることは、基本的にはないと説明されてきました。

ただし、景気回復のための定率減税措置がとられなくなることや、個々人の収入の増減など、別の要因により、実際の負担額は変わることになるので、留意するよう国税庁は事前に呼びかけていました。
ただ、定率減税措置の廃止については隠されていた、いってもいいでしょう。

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ここでグラフを見てください。左の"委譲前"が平成19年以前、右の"委譲後"が平成19年以降の税制ということです。主な改正点は次の通りです。

●所得税:10%〜37%の4段階 ⇒ 5%〜40%の6段階
●住民税:5%、10%、15%の3段階 ⇒ 10%一律

所得税はよりきめ細かに課税されます。増税になる人も減税になる人も出てきます。ただ、所得税を37%以上払っていた方々はたいへんな高額所得者ですし、そこが3%上がっても住民税が15%から10%になるので、5%下がって、税総額では2%も下がりますね。

一方、所得税10%の方々は5%になる代わりに、住民税が5%から10%になり、チャラです。ということは高額所得者の2%減税分を中間所得層、つまり給与所得者層、サラリーマンが負担することになりますよね。

今回の税制変更は、所得税と住民税の総額は一緒でも、高額所得者には減税され、低額所得者は何ら税率に変更なく、中間所得者が増税という毎度のパターンだということです。サラリーマンよ、もっと知って怒れ! 行動せよ! ということです。

国税庁のホームページには、年収ごとの試算があり、どの層でも税金に差がないという試算をしています。そんなはずはないでしょう?
それとその試算には定率減税措置の廃止が織り込まれていません。

定率減税措置では、景気対策のため次のように減税措置がとられていました。

●所得税:10%の減税
●住民税:7.5%の減税

はい、景気が回復したので(実感ありますか?企業の業績は回復しましたが給与はあがってません)、これを廃止するということです。
つまり、17.5%の増税になるということです。

納得のいかない方は、お住まいの市区町村にお尋ねになるしかありません。ただ、すでに法律は国会を通過し、制定されていますから、あなたの抗議を市町村が受け入れてくれるわけはありません。

今年、定年を迎えられる諸兄、住民税は所得税と異なり、後払いであること、すなわち退職後に収入がなくなってもむこう1年強は住民税が現役時代の所得に対して課せられることを念頭に置いてください。

住民税増税の衝撃

住民税の納付書が送られてきたことでしょう。開封されて驚かれた方が多かったのではないでしょうか? 住民税は前年と比べて4倍弱にもなった、という方もあったようです。

同封されている「納税者のみなさまに」という文書には、所得税、住民税の合計税率は変わらないと書いてあります。なのになぜ?

年金問題で大揺れの中、火事場泥棒のような住民税大増税のからくりを探ってみます。


そもそもは財源を地方に移しただけ、という政府


すべての発端は私たちが支持した(のか?)小泉改革のひとつ、「三位一体の改革」なのです。地方財政の自立を促すために、所得税のうち3兆円の税源を住民税に振り替えたのです。だから、所得税は減って、住民税が増えるだけで、税金の総額は変わらない、というのが政府の説明でした。
そして今年の1月には先行して所得税が減税され(えっ、どうだったっけ?)、6月から住民税が引き上げられて、総額は同じで増税じゃない、という説明です。

だが、住民税の税率が一本化されていた


実は住民税の税率が大きく改正されていたのです。これまで住民税も所得税と同様に所得に応じて高額所得者には高い税率が、低所得者には低い税率が課せられていました。すなわち、昨年までは所得額に応じて5%、10%、13%という段階税率だったのです。
ところが、今年から住民税の税率が所得額にかかわらず一律10%になりました。

13%を収めていた高額納税者は3%の減税ですが、課税所得200万円までに適用された5%の低い税率がなくなったのです。実に倍の税率になったわけです。年金所得者も大半はここに含まれるでしょう。低所得者や年金生活者には大増税となり、高額所得者はホクホクという税制変更なのです。

実際は定率減税が廃止されていた


定率減税という制度があったことをご存知でしょうか? 
これは景気対策のための暫定的な税負担の軽減措置として、8年前に導入されたもので、所得税では税額の10%を、住民税では7.5%を減税する、というものです。ところが、景気が回復したのでこの措置を廃止したのです。所得税は1月から既に実施され、住民税は6月からの実施です。
つまり、1月の所得税減税の際には、定率減税の廃止が合わせて行われたため、実質増税分が隠れた形になったのです。ずるいやり方でしょう。

で、結局、税金は上がるの下がるの?


税源の地方への移管が所得税で相殺されるとして、定率減税の廃止分だけ増税となります。総務省の試算では、年収700万円の専業主婦と子供2人のサラリーマン世帯の場合、住民税と所得税を差し引きすると、実質的に月額3680円の負担増、年間約44000円の増税だそうです。
ただ、1月に先行して所得税が減税されているので、住民税の上昇ぶりは倍に見えます。

ところで地方の財政は良くなるのか?


今回の3兆円の税源委譲に伴い、補助金4兆7000億円、地方交付税5兆1000億円がいずれもカットされました。したがって、今回の税制改革で地方自治が進めやすくなるというより、東京都など裕福なごく一部の自治体と大半の自治体の格差が一層、拡大されそうです。
このため、都市部の住民税の一部を、地方の出身地の自治体に回す「ふるさと納税」構想などが、政府・与党内部で盛んに議論されていますが、東京都などが呑むわけがありません。政府・与党は7月の参院選を控え、耳当たりのいい「ふるさと納税」で、またもや国民を煙に巻こうとしているのです。

<追記>2008.4.2
昨年度、所得税が一昨年度より大幅に低くなった方、例えば、昨年1〜12月までの間に定年等で退職された方は、住民税だけが増税されています。今年の7月1日〜31日までに申請すれば、戻税されます。
<追記はここまで>

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